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論文を雑誌に投稿するには?学術論文の雑誌投稿に係る手順

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学術論文 雑誌投稿

日本人研究者がノーベル賞を受賞したというニュースを多く耳にするようになった通り、日本の研究者たちが海外で成果を発表する機会が多くなり、日本人研究者の論文が海外の雑誌に掲載されることが非常に多くなりました。

論文掲載をしている出版社は、Science やNatureなど大手出版社をはじめ、世界中には数多く存在します。有名な雑誌に掲載されるほど、論文や研究者への注目も高まりますが、インパクトファクターの高い雑誌ほど読者が多い分、競争率も高く、難関であるものです。

ここでは、学術論文の雑誌投稿に係る手順を簡単にご紹介します。

ターゲットジャーナルを選ぶ

まずは、投稿するジャーナル(雑誌)を決めます。これを選んで決定するのは著者です。その後は、受理を目指してすべての手順が進んでいきますので、特に慎重にしっかりと選ぶことが重要です。

出版社は世界中に多く存在しますが、その中でまず注意しなければならないのが、「ハゲタカ出版社」を避けることです。

「ハゲタカ出版社」とは、多くの場合、論文投稿で非常に重要な手順である「査読」を経ずに高額な論文掲載料を要求し、出版を保証したりします。

こういった疑わしい出版社が低品質な研究を生産することで研究者へ大きな被害となるだけではなく、学術出版界への損失となる恐れもあります。

そのため、著者は、自己防衛のためにも、本物と偽物としっかり区別することが重要です。

  • 正式な連絡先が掲載れているか
  • 専門分野とつながりが深い著名な研究者がいるか
  • 高額な掲載料が要求されていないか
  • 査読プロセスが明記されているか

など、ネットで検索すればチェックリスト等がありますし、周りの上司や指導教官に評価を聞いてみましょう。

ジャーナル選定の目安となるものとして「インパクトファクター」も挙げられます。

インパクトファクター(IF)とは、Journal Citation Reports(JCR)が毎年提供する自然科学・社会科学分野の学術雑誌(ジャーナル)の影響度を表す指標の一つです。

特定のジャーナル1年間について、直前の2年間で掲載した全論文がどれくらい頻繁に引用されたかを平均値で示す尺度です。評価対象がWeb of Science収録雑誌に限られます。

このインパクトファクターによって、そのジャーナルが当該研究分野に与える影響の大きさが分かり、他の雑誌と相対的に比較することができます。

ただし、インパクトファクターは論文1つ1つや著者の研究業績、研究機関などを評価するための数値ではありません。数値が低いから、そのジャーナルの価値が低いとも限りません。

インパクトファクターが高い雑誌ほど読者数は多いですが、競争率も高くなり、かなりの難関となり、リジェクトされる割合が高いのが現状です。

インパクトファクターは掲載した論文のテーマや時事性などによっても変わります。あくまでも目安の1つとしてとらえ、様々な観点から総合的に評価して決定するようにしましょう。

投稿規定を確認する

投稿するジャーナルを決定したら、投稿規定を確認してみましょう。投稿規定は雑誌により様々ですが、主に次のようなことが書かれています。

著者と出版社の権利、投稿できる記事の種類、原稿の体裁、書式に関するルール等です。

規定に書かれているすべての要素に沿っている論文を投稿することが原則です。いくら論文に書かれている研究内容が優れていても、規定に沿っていない論文は受理されません。それほどに厳しいものになります。

投稿規定によって執筆方法が大きく変わってくると思いますので、原稿を書き始める前に、まず熟読しておくことをお勧めします。

また、投稿の締め切りも必ず確認しましょう。1から英語で論文を作成される方、和文を作成して英訳を業者に依頼する方、方法は様々であると思いますが、締め切りに間に合うように進めるためにも、計画的に作成していく必要があると思います。

英語で作成された場合も、専門家によるネイティブチェックは必須です。和文から作成された方は、英訳する業者の選定も必要になると思います。

重複になりますが、投稿規定に書かれているすべてのことをクリアしないと受理されません。くれぐれも慎重にしっかりと確認ください。

翻訳会社を選ぶ

英語の学術論文を作成する際に、作業工程は大きく2つのパターンに分かれると思います。

「1から英語で論文を作成する」「日本語で論文を作成し英語へ翻訳する」という方法です。いずれの場合も、必要となるのが専門家による英文のネイティブチェックです。

投稿規定にも多くの場合、専門家によるネイティブチェックを受けることが定められていますし、証明書の提出も求められます。

そうなると必要となるのが、それを依頼する翻訳会社の選定となります。

現在、国内外に多くの翻訳会社が存在しています。インターネットを通じてやり取りできますので、日本から海外の会社に依頼することも容易になりました。

そのため、ご自身が書かれた大切な論文をどこの翻訳会社に託すのか、それは非常に重要な問題であると同時に選定がとても大切になります。

翻訳会社を選ぶ際に確認すべきポイント

英語に精通していて翻訳の経験がある者であれば、誰でも良いというものではありません。学術論文の翻訳では、専門的な知識が必要となります。

日本人である私たちが、自分にとって知識のない専門的な論文を日本語でも書けないのと同じように、翻訳や英文校正(ネイティブチェック)も英語のネイティブであれば、誰でも専門的な論文を翻訳したり校正したりできるとは限りません。

どんなに英語力が高くて翻訳経験があるとしても、各分野の専門知識を持っているわけではないのです。そのため学術論文の翻訳や校正は、各分野を得意とする専門的な翻訳会社に依頼をすることが必須となります。

しっかり選定せずに依頼してしまい、低品質な英語論文として戻ってきてしまった場合、さらに別の翻訳会社に依頼するなど、余計な経費と時間がかかってしまう可能性もあります。

翻訳会社を選ぶにあたっては、まずは近くの上司や同僚など翻訳会社を利用したことのある人がいたら聞いてみると良いでしょう。

特に同じ分野の研究を行っている方々であればより参考になると思います。

翻訳会社を比較する

また、翻訳会社のホームページなどを見て、学術論文に強い翻訳会社を何社かピックアップし、実際に問い合わせてみることもお勧めです。

大抵の業者は、見積りが無料です。料金や納期を比較すると同時に、専門家がいるのか、どの様に作業が行われるのかなど質問してみても良いと思います。

時間的に余裕がある場合は、サンプル翻訳(英文校正)などを利用して品質を確認してみることもお勧めします。

学術論文を多く取り扱っている会社は、応対だけでもそれが分かります。投稿規定に沿ったフォーマットの調整についてや、証明書が必要かなど、取扱経験がない会社ですと応対がスムーズではない場合も実は多いのです。

学術論文を得意とする会社には、投稿規定にしっかり沿っているか、フォーマットを調整してくれるサービスもありますので、投稿作業をスムーズに進めることもできます。

秘密保持についての確認

そして、機密保持についてもしっかり確認しておきましょう。学術論文には、機密性の高い情報が多く含まれます。

論文発表の前に第三者に漏らされてしまうようなことがあっては、全てが水の泡となります。機密保持誓約書の提出を依頼するか、機密保持に関しての対応を確認することも大切です。

英語で論文を作成された場合も、同じように翻訳会社を選定する必要があります。前述で申し上げた通り、ネイティブチェックは必須です。

また、知り合い等の個人へ依頼するのではなく、専門業者へ依頼する必要があります。その証明として、校正(ネイティブチェック)証明書を投稿先へ提出するのです。

翻訳を業者へ依頼した場合も、最終的にネイティブチェックを必ずしてもらう必要がありますので、投稿先へ提出するのは必ず「校正」証明書になります。

翻訳会社を選ぶ際の注意点

翻訳会社の選定基準は、いろいろあると思いますが、料金や納期のみで選ぶことは避けたほうが望ましいと思います。

極端に低い価格の翻訳会社は機械翻訳を使用していたりする場合もあるので、到底学術論文の翻訳には適しません。翻訳会社を選定することも、労力を伴うかもしれません。

しかし、大切な論文を世界に発表できるかどうかの大切な工程の一部を任せる業者ですので、質の高い論文に仕上げるためにも、時間をかけてでも、質の高い作業を行う翻訳会社を選ぶことはとても大切な作業の1つです。

 

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