社会や会社レベルはもちろん、個人レベルでも翻訳のニーズは急増しています。その需要に応えるために、翻訳会社もこの数年で増加し、東京オリンピックをひかえ、これからもまだまだ増えていきそうな勢いです。
翻訳会社の増加のおかげで、価格競争がおき、従来に比べるとだいぶ翻訳料金が低下し、またサービスも向上しています。このようなメリットの一方で、選択肢が多過ぎて、どの翻訳会社がいいのか選びにくいというデメリットもあります。特に翻訳を外注するのが初めという場合には、翻訳会社選びには苦労します。
もちろん、まずは翻訳料金や納期が優先されるでしょうが、そこでの差があまり見られない時にはどうすればいいでしょうか?
ここで一つお勧めしたいのが、「会社概要」で翻訳会社の特徴を比較する、という方法です。ここからは、翻訳会社がHPで公開している会社情報のどういう点に注目すればよいかをご紹介します。
どこに拠点があるか
ここでいう「どこに」とは、都道府県ではなく、「どこの国に本社をおく会社か」という意味です。
ここで確認したいポイントの一つは、その翻訳会社が日本の会社なのか、それとも海外の会社なのか、ということ。日本人の翻訳ニーズにあったサービスを提供するためのノウハウを備えているのは、やはり日本の翻訳会社ではないでしょうか。
海外を本社とする会社でも、各国に現地ビジネスの拠点をきちんと構えているところであれば、日本の会社とそん色ない対応が期待できます。
海外に拠点を置く中小規模の翻訳会社に発注する際、気をつけたいポイントは以下の記事で説明しています。併せてお読みください。
海外に拠点を置く中小規模翻訳会社に発注する際の注意点
日本はこれまでに無いほどの翻訳ブームの真っ只中。翻訳ニーズの急騰で、続々と新しい翻訳会社が登場しています。おかげで競争原理が働いて、かつてに比べると翻訳料金の幅が広がりました。新たな翻訳会社の中には、 ...
創業何年の会社なのか
まだ創業から1年もたっていない翻訳会社にも関わらず、多数の会社名や大学名をリストアップして取引実績の豊富さをアピールしていたら要注意です。
学術論文や契約関係など、実績や専門性が必須の分野は別として、ジャンルによっては実績数の少ない、新しい翻訳会社に発注しても問題ないでしょう。むしろ、新規顧客獲得に熱心で、サービスが充実している場合もあります。
なぜ創業年数が長いほうがよいかといえば、それだけの年数を翻訳専門の会社として運営できているのは、それだけの顧客がその会社のサービスを求めているからこその結果だと思います。
各分野における専門知識や実績だけではなく最新の動向も把握しつつ顧客の依頼に合ったサービスを提供できるか、それを受け取った顧客が満足できるのか、その結果が創業年数にも表れるのではないかと考えます。
翻訳以外に行っている事業はあるか
翻訳会社であるはずなのに、会社概要の「主な事業」の中に、翻訳と明記されていないことも実は珍しくはありません。翻訳ではない本事業があり、翻訳事業はその会社の事業の一部であることがあります。
だからといって翻訳会社としてダメというわけではなく、むしろ、本事業やその他事業との連携で、翻訳以外の作業も一緒に依頼できるような場合もありますし、翻訳会社としての品質を判断する材料とはならないと思います。
会社概要の情報を正しく公開しているか
翻訳会社を選ぶ際、その会社のHPに記載されている「会社概要」をチェックすることをおすすめする理由は、そこから会社の信頼性が確認できるからです。会社の自己紹介とも言える、住所や代表電話などの基本情報が、きちんと分かりやすく公開されていない会社では、安心して翻訳を発注できません。
確かに翻訳会社を選ぶ際に、顧客が一番注目するのは料金と納期だと思いますが、そのような情報ばかりを全面にアピールしていて、どういう会社なのかを正しく公開していないようでは、発注してから何か問題が発生した時にも適切な対応をしてもらえるのか懸念されます。
料金もサービスも差異がない翻訳会社の中から一社を選ぶ時、「会社概要」を是非チェックしてみてください。