日本翻訳協会(JTA)

日本翻訳協会(JTA)の概要

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現在日本には、翻訳を専門職とする人の能力や資格検定試験を運営する団体が二つあります。

一つは社団法人日本翻訳連盟(Japan Translation Federation、略してJTF)で、もう一つが社団法人日本翻訳協会(Japan Translation Association、略してJTA)です。

JTFとJTAとは何か?

JTFは翻訳に関わる企業、団体および個人の会員で構成される産業翻訳の業界団体です。

資格検定試験の運営と併せて、産業翻訳に関わる国内と国外の社会や産業動向について情報収集や調査を行い、それを団体内で共有することによって産業翻訳のレベルの維持向上を図っています。

当初は任意団体として設立されたようですが、1990年の公益法人化を経て、2012年に現在の一般社団法人へ移行しています。

一方JTAは、個々の翻訳者の技術や翻訳の品質向上を主目的に設立された団体です。

1986年の創立以来、翻訳技能検定試験を開発・実施し、国内の翻訳実務能力に認定制度を設け、翻訳水準の向上に貢献しています。

2008年には、米国の翻訳専門職大学院と連携し、インターネットで受験できる翻訳専門職の資格試験システムを構築し、既に数年の運用実績を重ねています。

近代日本の成長と発展を支えた海外への輸出産業において、取引や交渉、また契約など全ての段階で翻訳の必要性は常に存在していました。

あらゆる業界でグローバル化が定着している現在、翻訳のニーズも、その重要性も、これまでとは比較にならないほど高まっています。

とりわけ今の日本では、翻訳の重要性が最高度に達していると言っても過言ではありません。

製造業による経済成長の限界から、それに代わる産業としての観光産業強化に向け、国をあげた施策が広がりをみせています。2020年の東京オリンピックを目前に、観光立国日本を目指したさまざまな動きが活発化していますが、その中でも最優先事項として取り組まれているのが多言語化です。

英語のみならず、訪日外国人の上位を占める中国や韓国それぞれの言語を加えた3カ国語の表示やアナウンスが、国内主要都市では当たり前のことになりつつあります。

あらゆる方面で、従来以上に翻訳業務のニーズと重要性が増大しています。翻訳需要に応え、高品質な翻訳を提供できる体制づくりや人材育成が今の日本では非常に重要であり、その課題に応える一つの手法が翻訳専門職者のための検定や公証と言えるでしょう。

翻訳者の能力が第三者にも分かる資格で示されることで、翻訳者にとっては正当な評価と報酬を得るための保障となり、翻訳を発注する側にとっては翻訳品質の確保と安心につながります。

こうした状況の中で、先に紹介した2団体による翻訳を専門職とする資格取得は人気が高まっており、検定試験の受験者数も年々増加傾向にあります。両団体の運営する資格試験には、それぞれ特徴があります。

JTFが実施している「ほんやく検定」は、勤務先の仕事として翻訳に携わる人がスキルアップや実力を試す等の目的で受験されている、つまり、翻訳専門職ではない受験者も少なくありません。

一方、JTAの「JTA公認翻訳専門職資格試験」は、よりプロフェッショナル志向の強い翻訳専門職に既についている人やそれを目指す人が受験者の多くを占めています。

また、JTFの資格試験に合格すると、級に応じて「翻訳士」の称号やプロフィールに合格級が記載されることで、JTF会員企業から翻訳の仕事を得るチャンスがあります。

難易度が高いことで知られる「JTA公認翻訳専門職資格試験」は、合格することで、翻訳会社に所属する場合でも、フリーで活動する場合でも、高度な専門性を証明できる資格保有者として、より好条件の仕事を得るチャンスにつながります。

このように翻訳を専門職とする検定試験と言っても、2団体それぞれの趣旨が異なりますので、翻訳を仕事としてどのように取り組んでいくかを考えて、どちらの資格が適しているかを判断する必要があります。

翻訳に関係する企業や個人会員に向けた運営活動が主体のJTFに対して、資格認定制度を運用して、広く翻訳のプロを目指す人の地位向上と翻訳品質向上に貢献するJTA。

スキルや実績をある程度もっている翻訳者が、その活躍の場をさらに広げたいなら、「JTA公認翻訳専門職資格試験」の合格を目指す価値があるでしょう。

ここまでは、英語の翻訳に関する検定試験を通して日本翻訳協会(JTA)と、その比較としてJTFを紹介してきましたが、JTAにはさらに次のような特徴があります。

 

翻訳業界を支えるプロ人材の育成

翻訳業界における専門職は、翻訳者だけではなく、翻訳会社において官民企業等からの依頼に応じて翻訳業務を請け負うスペシャリストも存在します。

そのような翻訳プロジェクト管理・運営責任者としての能力を審査し、認定する資格試験もJTAでは提供しています。

翻訳会社が請け負う規模も費用も大型な翻訳案件の成功・不成功は、翻訳者の能力以上にプロジェクトマネージャーの能力にかかっています。

翻訳業界におけるニーズに応える資格試験をいち早くデザインし、提供できるのは日本翻訳協会だけです。

中国語翻訳者育成と翻訳品質の向上

近年急速に経済成長をとげ、世界の主要国としてあらゆる国際会議に登場する中国。中国語の翻訳は、英語と同じぐらいの重要性を増している中、中国語翻訳能力を証明する資格試験制度をはじめたのが日本翻訳協会です。2008年にJTA公認翻訳専門職資格試験に中国語を追加しました。

すでに10年間継続されている同試験に合格しているかどうかは、中国語翻訳能力を判断する上で、産業界において最も信頼できる基準となっています。

このように、翻訳が関わる社会や産業の動きを把握し、必要とされる翻訳能力を育成するプログラムを構築し、検定試験を通じて翻訳業界の発展に貢献する団体が、日本翻訳協会(JTA)です。

一般社団法人日本翻訳協会 所在地:東京都港区4-3-1 設立:1986年10月 URL: http://www.jta-net.or.jp/

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